Takamatsu Jr. Club ~ドッジボールクラブ~ 第弐ブログサイト

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ドッジボール・ラノベ『飛球少年』 その拾弐 ~反省~

結局、俺は陽平に教わりながら見よう見まねでやるしかなかった。
腹痛で一瞬でも抜け出したから、陽平は俺の体調を気 にしながら、たまに休憩を挟もうかと提案してきたが、俺は自分がとても弱い人間に思えて、きつくそれを断ってしまうばかりだった。
しっかり練習して強くなりたい思いと、陽平に対して込み上げる悔しさが脳内で混ざり合い、心の葛藤で頭を悩ませた。
この日、俺はまともに練習に取り組んだような気がしないまま終わり、最後のストレッチの時、陽平に声をかけられた。
「隆太、今日ごめんね。お腹大丈夫になった?
僕の言い方が悪かったり、教え方が下手くそだったかもしれないけど、土曜日はちゃんと教えるから!」
俺はわかっていた。
全く陽平には非がないことを。
全て、俺の勝手な苛立ちを陽平にぶつけてしまっていたことを。
「陽平、俺の方がごめん。」
「え?なんで陽平が謝るのさ。
全然、陽平悪くないじゃん。」
「俺がイライラしてただけなんだよ!まじでごめん!」
陽平はまだ意味を飲み込めていないようだったが、それでも何も言わなかった。
「あのさ、隆太、明日学校休みだろ?
一緒に公園で練習しない?
あと、話したいことがあるんだよね。」
「うん、わかった。んじゃ、朝10時でいい?」
「うん、大丈夫だよ。じゃあな、隆太、また明日!」
陽平は、お迎えの待つ駐車場へ走っていってしまった。
俺は、陽平の話というのが何であるのか、少し気になりつつも荷物をまとめた。
ふと思い出す。
明日の天気予報は雨だった。