Takamatsu Jr. Club ~ドッジボールクラブ~ 第弐ブログサイト

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ドッジボール・ラノベ『飛球少年』 その拾伍 ~失意~

俺は陽平ともまともに口を聞けなくなってしまった。
学校で会うこともあったが、俺はつい目を逸らしてしまったり、避けてしまったりで、そんな俺に陽平も愛想をつかしたのか、もう近づいては来なかった。

学校から帰宅して、夜。
兄貴が俺の部屋に来た。
「おい隆太、お前本気でドッジボール強くなるんじゃなかったのかよ?」
俺は、だまり続ける。
しかし、兄貴は俺の言葉を急かすことなく待っていた。
観念して口を開く。
「兄貴……俺が弱いからチームに迷惑かけてる。
皆、俺が邪魔なんだよ、きっと。
後から入ったから、そりゃ他の奴より弱いだろうけど、陽平のお荷物だって言われて、もうやる気出ねぇよ。」
「お前馬鹿じゃねーの。なに他の奴に言われたからってすごすご引き下がってんだよ。
言わせとけ、そんなの。お前がそいつら黙らせる程に強くなりゃいいんだろーが!」
「だって、やろうとしてんのに文句言われるんだぜ?」
「気にしなきゃ済む話だろ。
それより隆太、家で筋トレとか続けてんの?
そういうの続けてねーと、いつまで経っても負けっぱなしだぞ。」
毎日欠かさずに続けていた筋トレは、翔也との一件以来まともにしていなかった。
せっかく筋肉がついてきて、体力も上がってきたと思ったが、きっと今は体がなまってしまっているだろう。