Takamatsu Jr. Club ~ドッジボールクラブ~ 第弐ブログサイト

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ドッジボール・ラノベ『飛球少年』 その拾陸の弐 ~挽回~

相手の懐に飛び込んだ球は、重低音を響かせた。
受け取ったはずの相手はボールを手から放して、お腹を抑えて悶えている。
「おい、大丈夫か!!」
呻くそいつに駆け寄った翔也は、俺の方を見つめた。
唖然とした顔、それはまるでそこに恐怖を感じているかのようだ。
そして、その様子を見ていたコーチは俺を呼んだ。
「隆太君、これまで一体どんな練習してきたんだい?」
「兄貴に特訓してもらったんです。」
「君のお兄さんはドッジボールをやっているのかい?」
「野球のピッチャーです。」
それを聞いたコーチは何か納得したようで、
「やっぱり、君は肩の筋肉がしっかりしている。
このチームの中で一番強いだろうね。
隆太君、これからチーム練習の時は、アタッカーとして頑張ってもらうよ。」
コーチはそれだけ言って、また俺を練習に戻した。
(見てろ、このチームの中で最強のアタッカーになってやる。)
翔也を睨みつけ、俺はボールを抱えて拳を握り締めた。

練習試合が来週の土曜日に控えていた。