Takamatsu Jr. Club ~ドッジボールクラブ~ 第弐ブログサイト

屋島で頑張っているJ.D.B.A.(一般財団法人日本ドッジボール協会)登録のドッジボール・クラブです!

ラノベ『飛球少年』

ドッジボール・ラノベ『飛球少年』 その拾漆 ~新たなチーム~

「次の練習試合は、隣町の小学校チームと行うことになっている。向こうのチームは、頭のいいプレーをするのが得意だ。ディフェンスが固いから、粘りの勝負になると思う。だから、チームも新しく組み直して一週間練習していくぞ。」コーチが練習終わりに来週…

ドッジボール・ラノベ『飛球少年』 その拾陸の弐 ~挽回~

相手の懐に飛び込んだ球は、重低音を響かせた。受け取ったはずの相手はボールを手から放して、お腹を抑えて悶えている。「おい、大丈夫か!!」呻くそいつに駆け寄った翔也は、俺の方を見つめた。唖然とした顔、それはまるでそこに恐怖を感じているかのよう…

ドッジボール・ラノベ『飛球少年』 その拾陸 ~久しぶりの練習~

「おい!あいつ、辞めたんじゃなかったのかよ。」翔也が俺の事を嫌味混じりに話す。そして、他の奴等も同様に、俺を横目で見ながら話し出す。でも、もう俺は何とも思わなかった。いざ始まった久々の練習。開始すぐのランニングは軽々と足が前に出て、兄貴に…

ドッジボール・ラノベ『飛球少年』 その拾伍の弐 ~払拭~

「これから俺と毎日、朝ランニングするぞ。で、キャッチボールと筋トレやるからな。それで、次練習に行く時には、陰口言ってた奴らを黙らせろ。わかったな?」兄貴が俺を励ます。俺も、大したことじゃないのに、わざわざ頭を悩ませていたのか、自分の事があ…

ドッジボール・ラノベ『飛球少年』 その拾伍 ~失意~

俺は陽平ともまともに口を聞けなくなってしまった。学校で会うこともあったが、俺はつい目を逸らしてしまったり、避けてしまったりで、そんな俺に陽平も愛想をつかしたのか、もう近づいては来なかった。学校から帰宅して、夜。兄貴が俺の部屋に来た。「おい…

ドッジボール・ラノベ『飛球少年』 その拾肆 ~仲間との衝突~

「おい、なんでだよ!!」いきなりの怒鳴り声に体育館は一気に静まり返った。事の発端は、土曜日の練習で、チームを分けて対戦していた時である。俺と陽平のチームの残り人数が相手チームより上回り、そろそろ決着が予想された頃のことだ。俺と陽平、そして…

ドッジボール・ラノベ『飛球少年』 その拾参 ~陽平の秘密~

窓からシトシトと音が聞こえて目を覚ますと、案の定、空は黒く淀んだ雲が一面を覆っていた。天気予報は見事に当たり、雨が降ったことで地面に水たまりが出来ている。(やっぱりな……。陽平に電話しねーと。)布団から起き上がりパジャマ姿のまま、リビングに置…

ドッジボール・ラノベ『飛球少年』 その拾弐 ~反省~

結局、俺は陽平に教わりながら見よう見まねでやるしかなかった。腹痛で一瞬でも抜け出したから、陽平は俺の体調を気 にしながら、たまに休憩を挟もうかと提案してきたが、俺は自分がとても弱い人間に思えて、きつくそれを断ってしまうばかりだった。しっかり…

ドッジボール・ラノベ『飛球少年』 その拾壱 ~弱い心~

いつものようにランニングとストレッチを終え、キャッチボールの次は休憩を挟んでスクワットのはずだった。でも、休憩が終わったとき、俺はコーチに呼ばれた。何故かそこには陽平も待っていた。「隆太君、今日からチーム練習に混ざってもらうよ。どうやるの…

ドッジボール・ラノベ『飛球少年』 その拾の弐 ~確信~

(陽平、もう来てるかな…。)そわそわしながら車に乗っていると、母さんが俺の方をチラリと見てから、「家出るとき、トイレし忘れたんでしょ?」なんてわざとらしく聞いてくるから、俺は、「そんなんじゃねーよ!」と顔を少し赤らめて答えた。15分ほどしてよう…

ドッジボール・ラノベ『飛球少年』 その拾 ~自信と気負いと~

案の定、次の日の朝、全身が筋肉痛で動く度に体がギシギシと音を立てるようだった。だから、体育の授業が無かったことが救いだった。そして、何とか学校を終え、帰宅してから兄貴に筋トレの特訓をしてもらい、俺は自分がここまで頑張れる奴だったんだと少し…

ドッジボール・ラノベ『飛球少年』 その玖 ~兄の存在~

俺の部屋のドアを誰かがノックした。 「おい、隆太いるか?」 兄貴だ。 「うん、いるよ。」 ドアを開けると、兄貴が野球のユニフォームを着たまま立っていた。 「どしたの?」 兄貴は俺の部屋に入り、勉強机の前の椅子に座った。俺は、兄貴の足元に腰をおろ…

ドッジボール・ラノベ『飛球少年』 その捌 ~嫉妬~

あれから俺は、キャッチボールを、そして他のメンバーはチーム練習を行っていた。初めての時は、一切こっちを見向きもしなかったコーチが、たまに俺の投げている姿を見ていることに気づいた。そして、休憩に入る前に声をかけてきた。「なあ隆太君、何か他に…

ドッジボール・ラノベ『飛球少年』 その漆 ~期待と不安と~

正式なメンバーとしての練習を火曜に控えた月曜。俺は、学校で一日中そわそわしながら過ごしていた。「隆太、ドッジボールどうすることにした?」最後の体育で、サッカーの授業の時、陽平が俺に話しかけてきた。「ああ、俺もやることにした!これから、よろ…

ドッジボール・ラノベ『飛球少年』 その陸 ~懇願~

それから、俺は何かに取り憑かれたようにボールを投げまくった。父さんはボールをキャッチした後、手をぶらぶらさせるようになり、「隆太、そろそろ休憩しないか?」なんて、俺より先に音をあげた。仕方なく父さんと一緒に、木陰に腰を下ろして、そして俺は…

ドッジボール・ラノベ『飛球少年』 その伍 ~キャッチボール~

次の日の朝、父さんは日曜日だからと、ちょっと遠出して大きな公園に俺を連れていった。 この公園は何度か来たことがある。坂に沿っ て、長いローラー滑り台が設置されていて、俺はそれが大好きだ。久しぶりに滑れると思い、滑り台の所へ走っていこうとした…

ドッジボール・ラノベ『飛球少年』 その肆 ~困惑~

俺は間違っていないはずだ。でも、コーチが俺に告げた言葉にも間違いがないこともなんとなくわかる。だが、俺は認めたくなかった。キャッチボールすら出来ないなんて恥ずかしいこと、認められるはずがなかった。だって、投げられたじゃないか。そう強く自分…

ドッジボール・ラノベ『飛球少年』 その参 ~侮り~

休憩が終わり、俺以外はチーム練習に取り掛かった。かという俺は、引率で来ていた誰かの母親とキャッチボールをさせられた。(さっきもやったじゃん。つまんね。)早くあのチームの中に混じり、俺がリーダーとして活躍したい、と気持ちに焦る。だが、コーチは…

ドッジボール・ラノベ『飛球少年』 その弐 ~初体験~

「おい、女子が居るじゃんか!」 体験日初日。 結局、父さんにクラブ入部について話をしたら、最初は断られた。だが、体験も可能だということで、体験してみて気持ちが変わらないようなら、もう一度考えてくれることとなった。 俺が飽き性で、中途半端に今ま…

ドッジボール・ラノベ『飛球少年』 その壱 ~衝撃~

(何だあのドッジボール……)俺は息を呑んだ。今までしてきたドッジボールと何一つ異なる。何より違うのは、勢い、いや空気だ。「止めろ!!!」「「「うぉーーっす!!」」」体育館に反響する何人もの声。俺は、今までやったことあるドッジボールで最後に残る…

ドッジボール・ラノベ『飛球少年』 その零 ~はじめに~

我が家の上娘が、このブログなどを読んでインスピレーションを得たらしく、今晩いきなりライトノベルを送ってきました。 もちろんフィクションです。 また、上娘はスポーツドッジの経験もなく、練習もそんなに見ていないので、練習風景などは実際のものと異…