スポーツ・ドッジの知られざる歴史 その8
スポーツ・ドッジでは、外野の選手が手のひらにボールを当ててコート外に出た場合、「ワンタッチ」ルールということで、支配権はそのままで、ワンタッチした外野の選手のボールで再開されます。
最初、ドッジの試合を見たときは、少し違和感を感じました。
「なぜ、外に出たのに外野から再開するのだろう・・・」と。
同じように感じている人は結構いるようで、廃止論は根強くあるようです。
しかし、試合を見慣れてくると、このルールが外野選手の積極性を引き出していることがわかってきます。
もし、このルールがなければ、取れないボールだと外野選手は取りに行くのを諦めるでしょう。
しかし、とりあえずワンタッチできれば自分のボールになるわけですから、一所懸命追いかけます。
森さんはワンタッチルールについて、「一生懸命走るということを促したい。だから、ちょっと逸れようがあきらめずに走れと。」と書いています。
私も共感できます。
勝つために、小細工をするような子供にはなって欲しくない。
皆で一緒に力を合わせて戦う、そして、勝っても負けても、励まし合い、次を目指す。
そんなワンピースの世界のような仲間になって欲しいのです。
確かに、ワンタッチねらいのプレイを見受けるときがあります。
けど、ワンタッチでも再会だと、相手チームは構えが出来てしまうため、アウトをとるのが難しくなります。
安易にワンタッチを狙っても勝てないのです。
また最近は、「ノータッチB」といって手のひら以外に当たってコート外に出た場合は相手ボールになるルールが厳格化してきています。
ですから、安易なワンタッチねらいだと、ノータッチBにしてしまうこともあります。
試合では、このワンタッチを巡ってさまざまなドラマがあります。
審判も、子供達のために必死にジャッジしています。
大人も子供も真剣です。
これが、ドッジボールのおもしろさなんですよね!